お疲れ様です。はらです。
デザインを本格的に始めて5年目になる、30歳の男です。
趣味は映画鑑賞、読書、アイドル鑑賞です。最近やっとゲームの楽しさを覚えました。
またしても最高に楽しいゲームを発見してしまったんです。「スプラトゥーン2」って言うんですけどね、これ本当に素晴らしいんですよ。

超人気ゲームってことはきちんと解った上で言ってるんでね、ええ。ヤホー的なことですわ。

ゲームの内容を端的に説明しますと、進化したイカの子ども達がインクをぶっ放し合って、自分のチームのカラーに塗った面積の広さでナワバリ争いをするっていう、そんな感じです。

このゲームのデザインワーク、マジで凄いです。ステージの一部分、ちょっとしたロゴや商品パッケージひとつ取っても、そこに歴史があるのが解るんですよ。どういう志の下でどういう経緯でそんなデザインになったのか、佇まいで伝えてくるというか。説得力が凄まじいんですよね。それでいて、キャッチーで押し付けがましくない。バランスが完璧なんですよ。細かい部分にいちいち感動しながらプレイするもんで、全然勝てないんですよね。

いやー勝てないのは単純に僕がヘタクソだからですね

前置きの時点でもう既に長えんじゃ

すみません。まだ本題に入ってすらないのに。。。

さてさて今日は、デザインにおいて「目立つ」とはどういうことだろう?っていう話です。デザインを受注した時、または発注した時、やり取りの中で必ずと言って良いほど出てくるのが「目立たせてください」という指示です。ということは、受注側も発注側も「目立つ」ってどういうことなのかをしっかり理解しておけば、きっと幸せなはずです。

特に、これを読んでいるあなたが「発注する側」である場合、「目立たせてください」を適切に指示することが出来れば、受注するデザイナーはとっても嬉しいと思います。そのくらい、我々デザイン従事者は、クライアントの無茶な「目立たせてください」に振り回されることが多いのです。。。ではでは、皆の幸せの為に「目立つ」ってどういうことなのかを解明していきましょう。

さて、まずは今回も「目立つ」ってどういうことなのかをゆるっと定義してみます。

「目立つ」とは、あるルールが存在する中で、そのルールから外れている物が際立って見える状態のことを指す。

図にするとこんな感じ

小さい◯がたくさん並んでますね。でも中段あたりに大きな◯が4つありますよね。どうですか?これ目立ってませんか?この4つの◯は、「たくさんの◯が同サイズで並んでいる」というルールの中で、サイズの面で外れている訳です。大きいですもんね。こういう風に「基準となるルール」を決めて、その中の特定のパーツに、サイズや、色や、角度などで差を出して固有のルールを与えれば、そいつが「目立つ」って寸法です。

パワーバランスを考えよう

デザインのやり取りをしている中でよくあるのが、「これ目立たせたいので大きくしてください」っていう指示なんですが、どの情報も大事にするあまり「これも大きくしてください。あとこれも。あ、これも。これもこれもこれも。」みたいな感じになる事が結構多いんですよ。気持ちは物凄くわかるんですけどね、あれもこれも大きくしちゃうと、「大きいパーツがたくさん配置されている」っていうルールができちゃう訳です。これじゃ大きくした物は目立たないですよね。ルールの範疇になっちゃいますから。

こういう場合はこんな風に考えてみるのをオススメします。

アートボード内にあるパーツが持っているパワーの総合計値は、何があっても「100」である

どういう事か説明しますね。デザインをする時、アートボード上に物を配置していく訳ですが、限られた面積しか持たないアートボードが持っている「100」というパワーを、それぞれのパーツがシェアしているんです。パーツの数が多ければ多いほど、それぞれが持っているパワーは下がっちゃうんですよ。図にしてみましょう。

パーツが1個なら、そのパーツが持ってるパワーは100です。

パーツが2個なら、それぞれが持ってるパワーは50

4個なら、1つあたり25だし、

10個あれば10って訳です。

◯がどんどん小さくなっていますよね?◯の大きさはそれぞれのパーツが持っているパワーの大きさです。大きければ目立つし、小さければ目立たない。つまり、例えばパーツが4つある場合、そのパーツがどんなに大きくても、4つとも同じサイズなら「25」パワーしか持てないということです。

じゃあどうすれば目立つパーツを作れるの?

ってことになるわけですが、等分せずに内訳を変えれば良いんです。

例えば、内訳を70 : 20 : 10 にすれば「70」パワーを持っているパーツが一番目立ちますよね。こういう風に情報に優劣をつけて、総合計値「100」をどうシェアするか、パワーバランスを整えてやれば、目立つパーツを作れるって訳です。

すみませんもうちょっとだけ

あーヤバいまた長くなってる。嫌われるー。最後に一応、一応、これも見てってください。軽ーい実例です。これで終わるんで何卒。。。

ポスターを作るとします。ポスターに入れる要素は「AAAAA」「BBBBB」「CCCCC」「DDDDD」の4つ。この状態だと、それぞれの要素はとても大きく入っているのに、イマイチどの情報も入ってこないですよね。全部がワーーッと大声で騒ぎ立ててる感じで、誰が何言ってるか判んないイメージ。

ってことで、

優劣を付けてみました。ほら、もう露骨に「BBBBB」が目立ってますよね。「BBBBB」が「BBBBB!!!!」って主張してくるじゃないですか。「CCCCC」とか「DDDDD」とか見てみてくださいよ。もう「CCCCC…」ってなもんですよ。

さらに、

色や陰など、処理をプラスしてみました。もうほら、「BBBBB」が「あぁぁ〜BBBBBィ!!!!!!」って言ってますよ。パキッとした色が付いて、陰まで従えて。それに引き換え「CCCCC」とか虫の息。「ccccc……」って感じですよね。これは、サイズのせいってのもありますが、色がかなり大きく作用しています。背景色と近い色って、視認性が低くなるんですよ。ここでもう一つポイントなのは、「AAAAA」の方が大きいのに、遠くから見たら「DDDDD」の方が目立つって所です。これも完全に色のせいなんですよね。まあ色についての詳しい話は、機会があればその時にでも。パワーバランスを決めるには、かなーーり大事な要素なんです。

流れで追ってみましたが、どうでしょうか。少し極端な強弱の付け方をした感はありますが、派手にメリハリを付けないと「目立つ」パーツを作るのって難しいんです。

情報の取捨選択は思い切って大胆に。

これが目立つデザインを創る為の鉄則です。「本当に大事な情報は何なのか」を発注側も、受注側も(これが大事。発注側よりも考え抜くべき)、しっかり把握しておきましょう。

今回も長くなってるやんけ

あらやだ。。。もう本当に何と言って良いやら。。。いや、何というか、伝えたいことが溢れてしまって。。。すみません。。。

てことで、今回もがっつりデザインの話でした。実はこれでも結構ザックリまとめてるんですよね。デザインって本当に奥が深い。あの、急に不安になったんで一応言いますけど、今回の内容はある特定のクライアントに対して言っている訳ではないので誤解の無きようお願いします。デザインの仕事って、純粋にこういうケースが多いんですよってお話でした。

いやはやすみません。今度こそは、今度こそはもっとコンパクトに!何卒!またお会い出来ることを楽しみにしています。

ではでは、お疲れ様でした。