お疲れ様です。はらです。
デザインを本格的に始めて5年目になる30歳の男です。
趣味は映画鑑賞、読書、アイドル鑑賞です。

読んでいる皆さんにはあまり関係の無い事かもしれませんが、僕はもうすぐNUFの所属を外れて、外部ライターとしてこちらに参加する事になります。記事はこれからも変わらず投稿させて頂きます。すみません。ちなみに今は有給消化中です。

さて、何故冒頭にこんな事を書いたかというと、このお話のスタート地点が、先日行われた僕の送別会だからです。ちなみに今回、コードギアス自体の話はほとんどしません。ことの始まりを、きちんと書き記すべきだと思ったんです。僕には、その義務がある

素敵な贈り物

2月13日。私はこれから起こるかもしれない怒涛の日々を記録する為に筆を取った。

「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇である。」

かの有名な喜劇王、チャップリンが遺した言葉だ。今現在私に降りかかっている悲劇は、人生という長いスパンで見れば、きっと大笑いしながら話せる喜劇になるはずなのだ。

そう、私は今、コードギアスをフランス語で観ている。初見にも関わらず…。

時は遡る

2月8日、私の送別会での出来事である。みんな忙しいのに、私の為に焼肉パーティーを開いてくれた。それはそれは楽しかった。それだけでも嬉しいのに、プレゼントまで用意してくれたのだ。

イケメンニカイドウさんからは美しい花束を、ハット卿からは精巧なライトセーバーのレプリカを、そして他の社員の記事でもちょこちょこ現れるオオノさんからも、素敵な贈り物を頂いた。

それは、コードギアスのDVDボックスだ。オオノさんは、かなりのアニメ通である。彼にずっとずっとオススメされていたのが、コードギアスだ。

「毎回続きが気になる終わり方をするんすよ!」

「伏線がマジでヤベエんすよ!」

「一回観始めたら止められなくなりますよ!」

私は日々の業務(とゲーム)に追われ、なかなかコードギアスに手を付けられずにいた。しかし、私にはこれから纏まった時間が約束されている。オオノさんは、そんな私の為にコードギアスのDVDボックスを贈ってくれたのだ。本当に嬉しかった。

これがそのDVDボックスである

オオノさんは言った。

「これ、解説書が付いてるんす!だから初めて観るはらっちでも安心っす!完璧に楽しめるっす!」

何て素晴らしいんだ。完璧だ。オオノさん、本当に有難う。これで心置きなくコードギアスの世界に浸れるー。

だが正直な話、これを見た時に少しの違和感を感じた事は事実だ。日本ではあまり見ないパッケージの形状をしていること、何かよく知らないメーカーのロゴが入っていること、極端に日本語での表記が少ないことー。

でも、そんな事より何より嬉しさが勝っていた。今思えば、冷静さを欠いていたと思う。帰ってから本編を観る事に、心底ワクワクしていたのだ。

オオノという男

ここで少し、オオノという男の話をしておこうと思う。

彼は、かなりの愛されキャラだ。本当に優しい男だし、本当に気の良い奴だ。仕事だって早いし、ガッツもある。愛される為に生まれてきたような存在だ。

だがしかし、彼は色々な意味で「持っている男」なのだ。

それは私がオオノさんの隣の席だった時の話である。彼は「薄い透明な皮膜の中に液体が入っていてグニャグニャの手触りがクセになるボール形のオモチャ」をピチピチ振り回していた。

こういうヤツ。ていうかコレ。

そしてそのオモチャは破裂し、中の液体は私にぶっかかったのである。もちろんオオノさんには一滴もかかっていない。

それは社員旅行での事である。私たちは、走行中のバスの中でお弁当を食べていた。車がカーブに差し掛かった時、オオノさんの靴紐が何故かほどけた。彼は躊躇なく弁当を座席テーブルに置き、靴紐を結んだ。さて、何が起こったかもうお解りだろうが、お弁当がカーブの遠心力で吹き飛ばされ、私の体はおかずまみれになったのである。もちろんオオノさんは綺麗なままだ。

他にも「酉の市」の看板を見て「にしのいち!」と大声で叫んだり、彼のPCの周辺機器だけが何故か次々とクラッシュしたり、とにかく神に愛されまくっている男。それがオオノさんなのだ。何かが起きる男なのだ。そんな彼からのプレゼントが、ただ嬉しい物で終わるはずが無いのである…。

加速する予感

帰り道、少し冷静になった私は胸騒ぎを感じていた。何故かモヤモヤが拭い去れない。

帰宅した私は、すぐさまDVDボックスのパッケージを再度確認したのである。そして私のうっすらとした「予感」は、確実にその色を濃くしていくことになる。早速私は見つけてしまった。

「1 ET 2」 これ、絶対に英語ではないよね。

私は、急いでボックスの中身を確認した。充実の内容だ。

そして、件の解説書を恐る恐る開いたのであるー。

オオノさん、これ、多分フランス語だ。

私は思い出していた。

「これ、解説書が付いてるんす!だから初めて観るはらっちでも安心っす!完璧に楽しめるっす!」

オオノさん、私はコードギアスの事は何も知らない。そして、フランス語を解さない。ダブルパンチだ。目眩がしてきた…。

でも、私は希望を捨てていなかった。本編さえきちんと観ることが出来れば問題は無いのである。もうこの時点で、DVDプレーヤーでの再生は諦めていた。念の為プレーヤーに入れてみたが、再生など出来るはずが無い。フランスと日本とでは、映像の方式が違うのである。

調べたところ、どうやらPCでは視聴が可能らしい。私は急いでPCにディスクを挿入した。そして、想定よりも早く現実を叩きつけられたのである。ディスクを読み込み、最初に表示された画面がこれだ。

                            

ドーン

オオノさん、これ、確実にフランスのヤツだ。

予感はもう、とっくに確信に変わっていた。その後表示されたメニュー画面も、もちろん解読など出来ようはずがない。

ひとまず一番上の「ALL PLAY」っぽい所を押してみる。良かった、きちんと再生できるようだ。

Le 10 août 2010 du calendrier impérial…

嗚呼オオノさん、フランス語が聞こえたよ。

うん。もう解っていたんだ。「1 ET 2」を見つけた時から、きっとフランス語が私の耳に入ってくるであろう所まで何となく見えていた。少しの可能性に賭けてみたかっただけなんだ。

オープニングは日本語だった。少し安心した。

呆気にとられたまま、第1話を何となくフランス語で観てしまった。えらいもんで、何が起こってたのかよく解らないのに続きがちょっと気になる…。

冷静になってもう一度メニュー画面を見てみると、恐らく日本語でも観ることが出来るようだ。

だが私は、ある決意を胸に秘めていた。

フランスに、こんなことわざがある。

La vie est le chocolat, c’est l’amer qui fait apprécier le sucre.

(人生はチョコレートだ、苦味が甘みを引き立てる)

平坦な人生なんてつまらない。私は、フランス語でコードギアスを全話観る。そしてその後、今度は日本語で全話観ようじゃないか。チョコレートの苦味が甘みを引き立てるように、コードギアスという作品の感動が何倍にも増幅されるかもしれない。

オオノさん、本当に有難う。これは、オオノさんが私に与えてくれたチャンスだ。人生の幅というのは、こういう偶然から広がる物なのである。

母さん、いま僕は、コードギアスをフランス語で観ています。初見にも関わらず…。

第3話現在、ブリタニアという所が舞台で、ルルーシュという人が何かを企てているという事しかわかりません。母さん、僕は、精一杯頑張ります。

さて、フランス語にはこんなことわざもあります。

Les jours se suivent et ne se ressemblent pas.

(日々は続くとも等しからず。明日は明日の風が吹く)

そう、明日は明日の風が吹く。予定は未定というヤツです。僕の決意は、一体いつまで続くのでしょうか。

à suivre(つづく)…?